色合いの変更
色合いの変更

キガラシのお花畑

秋の美瑛には、ところどころに黄色のお花畑が点在しています。


写真は、キガラシの花。
菜の花に似ていて、少し黄緑がかった淡い黄色をしています。


皆さんご存知のヒマワリも、この時期に花を咲かせます。
秋の丘を巡っていると、こうしたキガラシやヒマワリのお花畑が突然目の前に現れる、なんてことも珍しくありません。

でも、夏でもないのに、どうして今ごろ黄色い花が満開になるのでしょう??

それは、美瑛の農業サイクルが深く関係しています。

これらの黄色い花は、観賞用ではなく、「緑肥作物」と呼ばれるものです。
「緑肥(りょくひ)」とは、その名の通り「緑」の「肥料」で、
畑の土に栄養を与えるために植えられた「植物そのものを使った肥料」です。

ヒマワリも、アブラナ科のキガラシも、油を採取するために栽培されることがあるように、多くの栄養分(=油分)を含んだ植物です。
美瑛の丘は火山灰土で形成されているため、砂のような白っぽい土が多く、水はけはいいものの、養分が少ない土壌になっています。
そのため、こうした「緑肥作物」を植えて、それを土に鋤き込むことによって、畑の土に栄養分を足しているんですね。

「鋤き込む」とはどういうことかと言うと、
キレイに咲いている黄色い花を、満開に咲いた状態でそのまま土に混ぜ込んでしまうんですね!

「キャー! なんてもったいないことを。。。」
「お花がかわいそう。。。」

・・と思われる方も多いと思います。

「せっかくキレイに咲いてるんだから、せめてお花が終わるまで待ってもいいじゃない」

いや、まったくおっしゃる通りなんですけど、それが「緑肥作物」の運命でもあるんです。
お花が満開に咲いている時に鋤き込むのには、理由があるんですね。

もしお花が終わるまでずーっと待っていると、お花が種をつけてしまうんですね。
そうすると、次の作物を植えたのに、その間からキガラシやヒマワリが生えてきてしまって、農作業の邪魔になってしまうんです。

なので、お花が種をつける前に土に鋤き込まなければいけない。
つまり、お花が満開の時に土に鋤き込まなければいけないんです。

うぅ・・・悲しい運命というか、それが「緑肥作物」の使命なんですよね。


そして、最初の疑問。

どうして秋に咲くの?

美瑛で一番作付面積の大きな作物は、小麦です。
小麦は、秋蒔き小麦が7月末に、春蒔き小麦は8月上旬に収穫されます。

小麦が収穫された後には、麦稈ロールが作られ、牧場に運ばれます。
それが回収されていった後の畑に、キガラシやヒマワリの種が蒔かれるんですね。

それらは、ひと月半ぐらいで花が咲くそうなので、
9月半ばから10月半ばぐらいにかけた時期に、ちょうど黄色いお花畑が現れる、というわけなんです。

そうやって、美瑛の丘の農業サイクルが回っているんですね!

皆さんも、黄色いお花畑を見かけたら、「ワー! キレイなお花畑!」と思うと同時に、
「あ~、農家さんが来年の準備で土作りをしてるんだなあ」と思っていただけると、大変うれしいです。

このキレイな丘の風景を形作っているのは、農家さんの苦労の賜物なので・・・

○お願い○
キガラシやヒマワリの花畑には、決して足を踏み入れないでください。
必ず、舗装された道路上から撮影をしていただけますようお願いします。
土でできた農道も農地内ですので、車も人も入ってはいけないエリアです。
アスファルトの上からでもキレイな写真は撮れますので、よろしくお願いします。