色合いの変更
色合いの変更

「水がきれい、野原には美味しいものがあり、川で魚を釣り、よく遊んだ。冬は-30℃にもなり、厳しいものだったけど、すばらしい自然がとても近いことが私の原体験にあるのです。」そう語っていただいたのは、美瑛町長を20年務め、「日本で最も美しい村」連合を設立された浜田哲さんです。

考えの基本は、中小企業の経営にあった。

“高校は旭川、大学は秋田です。そして美瑛に戻り、知人たちと会社を起業しました。その会社で人と仕事する事とはどんなことなのか、中小企業はどうあるべきなのかを学びました。どこの中小企業にも言えますが、大切なのは「そこの会社にしかできない何か」があることです。技術でもいい、ネットワークでもいい、そういう強さがないと会社は生き残っていけません。その後、町議を2期務めてから町長になりました。美瑛町も小さな田舎町です。生き残っていくために、どう考えていくかは中小企業と同じだと思ったのです。 “

「丘のまち びえい」を、まちづくりに。

“私の前の町長である水上博さんの時代に「丘のまち びえい」は観光のまちとして歩み始めていました。私はそれを更に加速させるために、景観をいかしたまちづくりをしていくべきと考えたのです。ですがその当時、日本にはそういうまちづくりをしている所はなかったですから困りました。まだ具体的な策に迷っている時に、カルビーの松尾会長にお会いして、そんな話をしました。ちょうど松尾会長の手元にフランスの美しい村連合の資料があり、見せてもらえました。そして、実際にフランスまで視察にいくことになったのです。 “

丘のまちびえいセンチュリーライド
浜田さん自らも出場してきた思い出のイベント。
http://www.enjoy-biei.com/centuryride/

フランスの小さな村で、驚いたこと。

“フランスの美しい村連合総会では、たいそうなおもてなしを受けました。どのパンも、どのワインもチーズも美味しくて私が尋ねたんです「このパンやワインは、どこのブランドのものですか?」と。そうしたら「これはすべて地元のものですよ。ここでしか食べられないもので、あなたを歓迎しているのです。」これには本当に驚きました。今でいう地産地消ですが、そんなこと美瑛では考えられませんでしたから。 “

自分たちの生活の延長線上にある美しさ。


“フランスで感じた地産地消の素晴らしさともう一つは、異質な新しさへの否定です。彼らのまちは歴史があるものを美しいとしていました。目新しいものではなく、自分たちの生活の延長線上にある美しさを大切にすること。そんな想いに感動したことで、美瑛のまちづくりの方向が見えてきたのです。その挑戦の仲間作りをするためにも、日本で美しい村連合をはじめることにしました。2005年に7つの町村で設立し、今では63町村が加盟しています。 “

「日本で最も美しい村」連合
https://utsukushii-mura.jp

歴史を積み重ねることの大切さ。


“美瑛の丘の景観は、農業が作り出しています。しかも、その農業は先人たちの苦労の歴史です。とことん苦しんで水田を作り、それもうまくいかずに畑作に切り替え、畑作も思うように作業ができる地形ではありませんでした。そういう歴史に思いを馳せながら、この美しさを見ると大切にせざるを得ません。今美瑛にあるもの、今までつくってきたものを未来に向けて、積み重ねていかなくてはいけないと思っています。 “

浜田さんのmy BIEI