チビスロウ美瑛
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サラサラとこぼれ落ちていく砂の煌きに、思わずじっと見入ってしまう。薄いガラスの隙間に入れられた水と砂、少しの気泡。額縁を上下に返すことで砂時計のように落ちる砂が描き出すのは、世界で唯一の絵だ。白、緑、薄紫などの砂によって姿を現すのは、美瑛の四季と静かな時間。粒の大きさや種類の異なる砂を使用することで、複雑な立体感を実現させている。作り手の村井隆之さん自身が、美しい美瑛の丘の風景を生み出す農家であるからこそ、表現できるものなのだと思える。とはいえ、完成した絵を見て何を思うかは人それぞれ。「それがサンドピクチャーの魅力。海と言う人もいれば、UFOと言う人もいます」と村井さん。額縁の中に広がる小さな宇宙。ひと時として同じ姿を留めない絵が、語りかけてくるもの。53   http://www.tsukiakarikobo.com※上記HP他、町内四季の情報館で販売しています。村井隆之さん世界各地を旅していた頃、オーストラリアで出合ったサンドピクチャー。「初めて見たときの感動が忘れられません」。単色から3色の作品がある。光に透かしたり、縦横の向きを変えてみることで、また異なる表情に。 まちに流れる“時”を彩るものづくり 04月あかり工房流れ落ちる砂に見出す、それぞれの絵

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