チビスロウ美瑛
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木目や色合いを活かしたまま、異なる樹種を曲線で張り合わせることで、枠の中に実際の風景を落とし込む。緻密で正確な技術が必要とされる拓摩さんの作品は、美瑛の風景に魅せられた人々の心を温かく包む。 「一度購入してくださった方が数年後にいらして、『今度は大きなものを寝室用に』って。今では各部屋に一つずつ、違う作品を飾ってくれているんです」。そう誇らしげな表情で話す貴妃子さんは、拓摩さんの作品の一番の理解者だ。帰り際、拓摩さんの工房にちょっとだけお邪魔した。黙々と作業に打ち込む横顔からは、職人気質な印象を受けたけれど、こちらに気づいて温かな笑顔を向けてくれた。温厚で、どこかユーモラスな拓摩さんと、貴妃花の作品が心の中で、ぴったりと重なった。51  写真右/ギャラリーを切り盛りする貴妃子さん。飾らないもてなしで貴妃花の居心地の良さを作り出している。写真中央/コンパクトな卓上タイプも。写真左/2階のデザインから施工まで、すべて拓摩さんが手がけた。

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