チビスロウ美瑛
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きな大きな窓がある。窓の向こうに見えるのは、緩やかな弧を描くように重なる丘や、揺るぎない存在感を放つ十勝岳連峰の姿。美瑛を訪れる人々を惹きつける美瑛の風景が、窓枠いっぱいに広がっている。家の脇坂拓摩さんと妻の貴妃子さんが今から30年程前に美瑛中を探し歩いて見つけた、とっておきの場所だ。元々自宅用として建てた2階建ての住居のほとんどをギャラリーとして開放し、訪れる人々を迎え入れている。背伸びせず、寛いだ気分で作品と向き合えるのは、自宅兼ギャラリーというおおらかなスタイルのおかげかもしれない。勝岳まで、ずーっと見渡せるんですよ」とうれしそうに話すのは、貴妃子さん。少し離れた場貴妃花のギャラリーには、大このロケーションは、木工作窓際に立って、「旭岳から十所にある工房でものづくりに打ち込む拓摩さんに代わって、ギャラリーを案内してくれた。シンプルなテーブルやイスから、動物などをモチーフにしたほんのりユニークな小物まで。滑らかな丸みと曲線を帯びた拓摩さんの作品を手に取ると、たちまち心がほっとする。   2階に上がると、見覚えのある風景が、木のフレームに収まっていた。貴妃花の人気商品、「木々の丘」シリーズだ。「これは『ケンとメリーの木』、こっちは『家族の木』。あれは、少し雪がある頃の十勝岳の姿ね。すべて、美瑛ならではの風景を再現しています」。美瑛の風景が窓の向こうに広がるように、木で描かれる。写真や絵の鮮やかさとはまた違う、「木」ならではの存在感が、記憶の中にある風景に、そっと寄り添ってくれる。 まちに流れる“時”を彩るものづくり 美瑛町みどり TEL.0166-92-0761営業時間/10:30〜17:00定 休 日/水曜http://kihika.sakuraweb.com/kihika50      脇坂拓摩さん独立前はデザイナーとして活躍し、コンテストで数々の賞を受賞したことも。心を和ませる曲線が組み込まれた小物から家具までを手がける。02RUSTIC貴妃花なだらかな丘の上で風景と人柄が重なる木のものづくり

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