チビスロウ美瑛
22/56

哲学の木が伐られる日、中西さんは農家から依頼を受け、その一部始終を記録として写真に収めた。悲しみが刻まれたその写真は、どこにも公表されていない。 「『知らなかったから』、起きたことだと思う」と、中西さんは言う。「きれいだな」と思う目の前の風景に、農家の人たちの暮らしがあることを、観光客の一人ひとりが知ったなら、きっといい方向へ道は拓ける。そんな思いが、中西さんたちを動かした。チーム名は、「ブラウマン(耕す人)」。畑の看板には、美瑛の原生林を開拓し、今日まで脈々と受け継いできたブラウマンたちの物語を掲げる。「入らないで」と呼びかけるのではなく、「知ってもらおう」と歩み寄る。そのおおらかな姿勢には、美瑛の人らしい、しなやかな芯を感じる。「このプロジェクトを通して、農家の人たちにも自信やプライドを持ってもらいたい」。そう話す中西さんの瞳は、まっすぐに前を向いていた。 「人々の暮らしこそ、その土地の本質だと思う」。中西さんがカメラの向こうに捉える世界にはいつも、美瑛の地で逞しく生きる人々の姿がある。 ● 美瑛の撮影マナー・ルール  https://biei-photo.jp/rule/japanese-rule.html● 美瑛観光ルールマナー110番 https://mybiei.jp/kankou-manner1101. 私有地である農地(畑・牧草地・山林等)や宅地に立ち入らないこと  踏み込んだ靴の裏から菌や病害虫が作物に感染してしまうことも。  冬の間も、雪の下では秋まき小麦などが栽培されていることを忘れずに。2. 駐車する場合、畑の出入り口を避け、農家の迷惑にならないようにすること3. 農作業車などが移動する場合は、撮影を中止するなどの配慮をすること4. ゴミを捨てないこと、自分のものでなくても拾うこと1. 撮影可能な場所かどうか確認すること2. 三脚は安全なところでのみ使用すること3. フラッシュ撮影や場所の独占により、他の人に迷惑をかけないこと4. 枝を折るなどして、環境を変えないこと5. 作業中の農業従事者の肖像権を厳守すること22  一般的な撮影マナー撮影行為に関するルール美瑛町撮影ルール詳細について旅行者と地元の人がより良い関係を築いていけるように、美瑛町は公式ルールを設けている。ルールをきちんと理解して、大切な旅の思い出をカメラに残して。丘のまち美瑛の風景と農業を守るために

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る